東京のすみっこより愛をこめて。fummyです😊💡
英語多読100万語を目指して、多読を進めています!
今回取り上げるのは、「Compass Classic Readers (Level 1)」版の、『アンデルセン童話名作集(The Emperor’s New Clothes)』です。
『アンデルセン』の童話といえば、
「マッチ売りの少女」
「みにくいアヒルの子」
「人魚姫」
「親指姫」
「裸の王様」
・・・
・・・といった作品が、記憶の底からムクムクと蘇ってくるのではないでしょうか(笑)。
今回は、そんな幼い頃から馴染み深い『アンデルセン名作童話集』の、「Compass Classic Readers (Level 1)」版の中から、3作品を取り上げます。
そして、あらすじや心に残ったあのシーンを、本文を引用して日本語訳をつけながら紹介していきますね。ぜひ、『アンデルセン』の童話集を思い出しながら、英語の復習をしていただければと思います。
当然のことながら、各エピソードのネタバレをしていますのでご注意ください!
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前提情報①:『アンデルセン名作童話集』について

今回取り上げる『アンデルセン名作童話集(The Emperor’s New Clothes)』は、以下の本です。
原書ではなく、Graded Readers(GR)版であることにご注意ください!
とはいえ、原作が短編なので、特にエピソードが大幅にカットされるようなこともなく、楽しく読めますよ^^
英語多読者向けの『アンデルセン童話名作集』基本情報(総語数、英語レベル)
「Compass Classic Readers」版の『アンデルセン童話名作集(The Emperor’s New Clothes)』の基本情報(難易度など)は以下の通りです。
- 書名 : The Emperor’s New Clothes
- シリーズ: Compass Classic Readers(Level 1)
- 収録作品: Always Right(父さんのすることはいつもよし) / The Little Mermaid(人魚姫) / Thumbelina(親指姫) / The Emperor’s New Clothes(裸の王様)(全4話)
- 総語数 : 3806語
- CEFR : A1
- 読みやすさレベル(YL):YL2.6-2.8
本書には、4つの物語が収録されています。今回取り上げる3作品をピンクで示しておきました。
難易度のご参考までに、わたしは英語多読20万語〜30万語の間くらいのレベルでこのシリーズ(CCR レベル1)を読んでいますが、特につまづくことなくスムーズに読めています!
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前提情報②:作者のアンデルセンについて

アンデルセンの写真(画像はWikipediaより)
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen, 1805-1875)は、デンマークの代表的な童話作家です。
- 代表作は、童話の『人魚姫』、『親指姫』、『マッチ売りの少女』や、森鴎外が訳した長編小説『即興詩人』など。
- オーデンセの貧しい靴直し職人の家に生まれる。若い頃は、俳優を志して挫折するなど、長らく不遇で孤独で困窮した日々を送るが、大学はなんとか卒業する。
- 1835年に『童話集』を発表し、以後死ぬまでの40年で150編以上の童話を書いた。
- 現在では功績が世界中に認められ、コペンハーゲンには人魚姫の像がある。1956年には「児童文学のノーベル賞」とも言える「国際アンデルセン賞」が創立された。
アンデルセンの童話の特徴:はかなく美しい創作童話
アンデルセンの童話は、同時代(19世紀)に編纂されたグリム童話と並べて語られることがよくあります。しかし、グリム童話が民間伝承などを多く含んでいるのに対し、アンデルセンの童話は、ほとんどが「アンデルセンによる創作童話」なのが特徴です。
はかなくも美しく、尊い魂を描いたアンデルセンの物語
さらに、アンデルセンの創作童話は、アンデルセン自身が若い頃に過ごしたつらい日々の経験が物語の中に垣間見えます。
- 『人魚姫』のような、願っても思い通りにならない現実
- 『マッチ売りの少女』のような、孤独と温かい家庭への憧れ
- 『みにくいアヒルの子』のような、少年時代の冷遇
しかし、これらの登場人物たちが、そのつらい運命を受け入れる強く尊い魂を持っているのも、アンデルセン童話の特徴でしょう。
そんなわけで、アンデルセンの童話は、はかなくも美しいイメージがそこはかとなく漂っているのですが、それを日本においてさらに際立たせた人物がいると、個人的に思っています。
・・・さて、誰だと思いますか?
それは、画家の「いわさきちひろ」さんです。
アンデルセン童話普及の影の功労者:いわさきちひろ
アンデルセン童話の多くの絵本のイラストを手がけている、いわさきちひろさん。この愛くるしくも、はかなげで、しんの強そうな少女たちが、アンデルセンの物語にぴったりです^^
わたし自身、少なくとも年に一度はいわさきちひろ美術館に訪れる、ちひろファンなのですが、ちひろさんが大好きになったきっかけは、アンデルセンの絵本だったりします。とりわけ好きなのが、『親指姫』と『赤い靴』。
『赤い靴』のお話は、幼い子供にはちょっと刺激が強すぎるくらいどう考えてもホラーなのにもう一度読みたくさせてしまう、ちひろさんの絵の力。スゴイ。(一生眺めていたいです)
そんなわけで、「日本でアンデルセンが愛されるに至った影の功労者のお一人は、いわさきちひろさんだ!」と強く信じているので、我慢できずに言及させていただきました^^
それでは次項から、アンデルセン童話のエピソードを、個別に見ていきましょう!
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父さんのすることはいつもよし(Always Right)
いきなり比較的マイナーな作品ですが、「父さんのすることはいつもよし(Always Right)」は、とても素敵な夫婦のお話です。夫婦でこんな信頼関係を築けたら、絶対一生幸せだよな〜と、ほっこりしてしまいますよ^^
「父さんのすることはいつもよし(Always Right)」のあらすじ
ある農場に、農夫(a farmer)とその妻(his wife)がおりました。
ある日農夫は、馬を市場で売るために、家を出発しました。道中、牛を連れた男と出会うと、「牛の方がおいしいミルクが採れるな」と考えた農夫は、自分の馬と男の牛を交換します。
そうして市場までの道のり、農夫は動物を連れた男と出会うたびに、牛から羊へ、羊からガチョウへと、自分の動物と交換していくのでした。
Soon, the farmer got to the market with the goose. There, he saw a man with a hen.
“A hen doesn’t eat as much as a goose,” he thought. “And a hen’s eggs are better to eat than a goose’s eggs.”
“I’ll give you my goose for your hen,” he said to the man.
“It’s a deal,” the man said.*日本語訳(拙訳)*
まもなく農夫は、ガチョウをつれて、市場に到着しました。そこで彼は、雌鳥をつれた男を見かけました。
「雌鶏はガチョウよりも少食だ」と、彼は考えました。「それに、雌鶏の卵はガチョウの卵よりもうまいんだよな」
「私のガチョウとあなたの雌鶏を交換しましょう」と、農夫は男に言いました。
「いいですとも」と、男は言いました。ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.6.
そうして交換を繰り返すうちに、しまいに農夫の持ち物は腐ったリンゴ一袋になってしまいました。
立派な一頭の馬が、腐ったリンゴに変わったなんて話を聞いたら、妻はなんて言うでしょう。
農夫が農場に戻り、今日の出来事を順を追って妻に説明すると、妻は、「まあ、あなたったら、なんて頭がいいのかしら!(What a clever man you are!, p.8)」と、夫を褒めます。「よい判断をなさったわね(That was the right thing to do., p.8)」
そうして妻は夫を抱きしめ、キスをするのでした。
「父さんのすることはいつもよし(Always Right)」の感想
あらすじだけ読むと、思慮の浅い夫と、夫の言うことなら全部肯定する単純で従順で愚かな妻に見えるかもしれません。
しかし実際に読んでいると、農夫の決断にはいつもそれなりの理由がありますし、妻も「夫はいつもよく考えた上で行動している」と、夫のことを理解した上で夫を肯定しているように読めるのです。
まあでも、雌鶏まではまだ実用性が納得できるのですが、腐ったリンゴを肯定できるのは、妻の懐の深さゆえだと思いました。
最終的に、夫が腐ったリンゴを得るために、雌鶏を人にあげてしまったと聞いた時の、妻の反応は以下のようなものです。
“But then, I gave a man the hen for a sack of rotten apples,” the farmer said.
“Oh, I am so glad,” his wife said. “I went to our neighbor to borrow some herbs. ‘I have nothing to give you for them,’ I said to her. ‘I don’t even have any rotten apples.'”
The farmer’s wife put her arms around her husband and kissed him. “Now, I can give her some rotten apples,” she said.*日本語訳(拙訳)*
「でも次には、俺はその雌鳥を、腐ったリンゴひと袋と交換しちまったんだ」と、農夫は言いました。
「あら、私は嬉しいわ」と、妻は言いました。「ご近所さんにハーブをいくらか分けてもらいに行ったのだけれど、『ハーブと交換できるものが何もないんです』って、その方に言ったのよ。『腐ったリンゴすら無いんです』って。」
農夫の妻は、夫を抱きしめて、キスをしました。「今ならご近所さんに、腐ったリンゴを差し上げられるわ」と、彼女は言いました。ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, pp.9-10.
ハイパーポジティブシンキンー!(笑)
この妻の、恐るべき前向きさと包容力たるや。もはや菩薩級ですね。こんな妻が家で待っていたら、夫は安心して何にでも挑戦できるんだろうなって思いました。
人は生きていれば必ず失敗します。例え周りはバカにしたとしても、そんな時に「あなたがいつもよく考えて頑張っているの知っているのよ!」って、温かく支えてあげられるような人になりたいものです。
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人魚姫(The Little Mermaid)
アンデルセンの代表オブ代表作『人魚姫』のお時間がやってまいりました! ディズニーが映画化し、劇団四季がミュージカルを上演し、コペンハーゲンに像があるくらい有名な作品です。
もはやあらすじも不要な気もしますが、英語の復習にどうぞ使ってください〜^^
「人魚姫(The Little Mermaid)」のあらすじ
海の底で両親や姉たちと静かに暮らし、外の世界に憧れる人魚姫(the little mermaid)。15歳の誕生日に、ついに海上に行くことを許され、そこで大きな船と、船に乗る王子様を見つけます。人魚姫はハンサムな王子様に、一目で恋に落ちてしまいました。
しかし、突然の嵐で船が沈没してしまいます。人魚姫は海に飲まれた王子様を助け、丘へと運びました。王子様は意識を失ったまま、目を覚ましません。ふいに人の気配がしたために、人魚姫は王子様を置いて、海へと逃げ帰りました。
海の魔女の魔法で人間になった人魚姫
海の底に戻ってからも、人魚姫は王子様のことが忘れられませんでした。もう一度王子様に会いたい。その思いが抑えきれなくなった人魚姫は、海の魔女に頼んで、尾ヒレを2本の足に変え、人間にしてもらいます。
しかし、人間になる魔法には制約がありました。王子様が人魚姫と結婚しなければ、人魚姫は死んでしまうのです。そして魔法の対価として、人魚姫は自らの「美しい声」を魔女に捧げてしまいました。
自分の命よりも、最愛の人の幸せを選んだ人魚姫
人間になった人魚姫は、王子様と再会を果たします。かわいらしい人魚姫を見て、王子様はお城に連れ帰りますが、魔女に声を捧げてしまった人魚姫は、王子様と会話ができません。王子様は人魚姫を妹のようにかわいがりますが、隣国の姫と婚約してしまいます。
王子様と結婚できなければ、死んでしまうーーー。
そんな人魚姫の危機に、海の底の姉たちが駆けつけます。
Then, she saw her sisters in the water. They swam up close to the ship to talk to her. “We asked the sea witch to let you live,” one of her sister said. “She gave us this knife. You must kill the prince with it. Then, your legs will turn back into a tail, and you can come back home.”
*日本語訳(拙訳)*
すると、人魚姫には、海の中にいる姉たちの姿が見えました。姉たちは、人魚姫と話そうと船に近づいてきました。「私たち、あなたが死なないよう、海の魔女にお願いしたの」と、姉の一人が言いました。「魔女はこのナイフをくれたわ。これで王子を殺しなさい。そうすれば、あなたの足は尾ヒレに戻って、家に帰れるわ」ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.19.
一度はナイフを受け取った人魚姫でしたが、愛する王子様を殺めることは、彼女にはできませんでした。
The little mermaid went into the prince’s room. He and the princess were sleeping. She could not kill him. She loved him too much. She threw the knife into the sea.
*日本語訳(拙訳)*
人魚姫は、王子様の部屋へ行きました。王子様と姫は眠っていました。人魚姫は、王子様を殺すことができませんでした。あまりにも王子様のことが大好きだったからです。人魚姫は、ナイフを海に捨ててしまいました。ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.19.
「人魚姫(The Little Mermaid)」の感想
自分の命を犠牲にし、愛する人の幸せを選んだ、尊い魂をもつ人魚姫のお話でした。
ただ、いま改めて読むと、王子に恋焦がれるあまりに周りが見えなくなっている人魚姫の、楽観的な思考と、浅はかさが目につきます。「人間になるための契約」を海の魔女と結ぶ時の、二人の会話をご覧ください。
The sea witch was very clever. “I will help you,” she said. “I will turn your tail into legs. You will look like a princess. But if you do this, you will never live at the bottom of the sea with your family again. You will also die if the prince does not marry you.”
“I will do it,” said the little mermaid. “He will marry me. I know it,” she thought.
“I will not help you for free,” the sea witch said. “I want your beautiful voice.”*日本語訳(拙訳)*
海の魔女はとても狡猾でした。「力になってやろうじゃないか」と、魔女は言いました。「お前の尻ヒレを足に変えてやるよ。お姫様のように見えるだろうねえ。ただし、そうしてしまったら、お前は金輪際、海の底で家族と過ごすことはできないよ。しかも、王子がお前と結婚しなければ、お前は死ぬことになるんだ」
「やってください」と、人魚姫は言いました。「彼は私と結婚するわ。それは確かですもの」と、彼女は考えていたのです。
「わたしは、ただじゃあ力を貸してやらないよ」と、海の魔女は言いました。「お前の美しい声をいただこうか」ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.16.
まずは「彼は私と結婚するわ。それは確かですもの」という、人魚姫の根拠なき自信。
確かに、嵐の海から王子の命を救ったのが人魚姫だと王子が知れば、王子が人魚姫と結婚する可能性は高まります。けれども、そのとっておきの真実を王子に伝えるためになくてはならない「声」を魔女に与えてしまったら、ほとんど望みゼロじゃないかー・・・。
人魚姫には、もう少し他の交渉材料がないか、粘ってほしかったな、と思います。
まあでも、わたしだったらどうするかって考えたときに、他に方法がないって言われたら、例え命を落とすかもしれなくても、声を失っても、王子様に会いにいきますね。
やらずに一生後悔しながら過ごすことを想像したら、それだけでちょっと気持ち悪くなりました(笑)。だめだ、たぶん、人は本質的に愚かにできていると思います。もう諦めるしかない(笑)。恋こそは人の判断力を奪う病気!
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親指姫(Thumbelina)
「親指姫」を英語で読んだのは初めてだったので、「Thumbelina」がやけにツボにはまってしまいました(笑)。サムベリーナ! オヤユビーナちゃん!
「親指姫」って訳した方は、偉大だなぁと思いました。(とてもかわいい上に品があります)
「親指姫(Thumbelina)」のあらすじ
あるところに、子供のいないご婦人(a woman)がおりました。ご婦人は、子供を授けてもらうよう、魔女にお願いをしました。魔女は種をひとつご婦人に渡し、家に持ち帰って植えるように言いました。
The woman paid the witch and took the seed home. She planted it. It grew into a flower. The woman kissed the closed flower petals, and the flower popped open! A tiny girl was inside. She was as big as thumb. The woman called her Thumbelina.
Thumbelina was very pretty. She had a sweet voice. She slept in a walnut shell. Her mattress was made from flower petals.*日本語訳(拙訳)*
ご婦人は魔女に代金を払うと、種を家に持ち帰りました。その種を植えると、花が育ちました。ご婦人が閉じたつぼみの花びらにキスをすると、ポンっと花が開いたのです! 中には小さな女の子がいました。女の子は親指ほどの大きさでした。婦人は女の子を、親指姫と呼びました。
親指姫はそれはそれはかわいらしく、美しい声をしていました。親指姫はクルミの殻の中で眠り、マットレスは花びらでできていました。ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.22.
親指姫の冒険
親指姫はあまりにかわいらしかったので、ご婦人の留守を見計らって、カエルが親指姫をさらってしまいました。息子のお嫁さんにしようと考えたのです。
親指姫はカエルの元を逃げ出しますが、次はカブトムシに捕まってしまいます。なんとか逃げおおせたものの、見知らぬ土地で冬を迎え、ネズミのおばさまにかくまってもらうことになりました。
ネズミの世話になり、親指姫は、なんとか冬を越しました。しかし、ネズミのおばさまは、お金持ちのモグラと仲が良く、親指姫とモグラが結婚することを望むようになります。モグラも、すぐに親指姫のことが好きになってしまいました。
鳥との出会いと脱出
ある日のこと、モグラと会うために土のトンネルの中を歩いていた親指姫は、そこで鳥が横たわっているのを見つけます。
In the middle of the tunnel, there was a dead bird. This made Thumbelina very sad because she loved birds and their music. The mole said, “The birds stay late in the winter, and they freeze to death!”
“You’re right,” the mouse said.
Thumbelina sometimes kissed the bird. She made a blanket of hay. She covered the bird with the blanket. Thumbelina heard its heart beating! It was still alive, but very weak. She warmed the bird with the torch and gave it grains. Thumbelina said, “Rest and get your strength back.”*日本語訳(拙訳)*
トンネルの半ばで、鳥が死んでいました。親指姫はとても悲しい気持ちになりました。鳥も、鳥たちが奏でる音楽も、大好きだったからです。モグラは言いました。「その鳥たちは、冬の終わりまで留まっていたのさ。だから、凍えて死ぬんだよ!」
「ほんとうにねえ」と、ネズミは言いました。
親指姫は、折々その鳥にキスをしました。干し草で毛布をつくり、鳥にかけてやりました。すると、鳥の心臓が鼓動を打っているのが聞こえてきたのです!鳥はまだ生きていましたが、とても弱っていました。親指姫は、松明で鳥を温めて、穀物を与えました。親指姫は言いました。「おやすみなさい、そして元気を取り戻すのよ」ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.32.
親指姫の献身的な看病のおかげで元気を取り戻した鳥は、飛ぶことができるくらいまで回復しました。鳥は、親指姫を背に乗せて、花の精の国へと連れていきます。
The bird said, “I will take you to a nice flower. There is a small person like you living in every flower. There are called “the spirits of the flowers.” You will see the King of the Flowers there.”
*日本語訳(拙訳)*
鳥は言いました。「素晴らしい花のところにお連れしましょう。そこでは、どの花の中にもあなたのような小さな人がいるのです。彼らは『花の精』と呼ばれています。そこで、花の王に会えますよ」ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.33.
花の精の国で、花の王と出会った親指姫は、恋に落ち、王様とともに幸せに暮らしました。
「親指姫(Thumbelina)」の感想
「親指姫」は大好きなお話で、しかもハッピーエンドなので、特に文句はないのですが(笑)、物語の最後の記述が少し気になりました。
She soon married The King of the Flowers. The king didn’t like his wife’s name. He called her “Queen Mai.”
*日本語訳(拙訳)*
ほどなくして、親指姫は花の王と結婚しました。王は后の名前が気に入りませんでした。王は親指姫を「五月姫」と呼びました。ーHans Christian Andersen, Emperor’s New Clothes
, Compass Publishing, 2009, p.35.
調べたのですが、英語には”Mai”という単語が存在しません。しかし、デンマーク語には「五月」の意味で、”Mai”という単語があります。というわけで、”Queen Mai”を「五月姫(さつきひめ)」と訳してみました。(「クイーン」ですが、女王と言ってしまうと、なんかかわいくないので姫にしました。笑)
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「裸の王様(The Emperor’s New Clothes)」で覚えた英語表現!
残りの一作品、「裸の王様」に関しては、覚えた英単語をご紹介するにとどめておきますね。
- loom
“May we have the money now?” one of the men asked. “We must buy silk and a loom.”(p.38)(「代金は、いまいただけませんかね」と、片方の男が言った。「絹と機織り機を買わなければならんのです」) - invisible
The men were sitting at an invisible loom, making invisible clothes with invisible silk.(p.39) (二人は、目に見えない機織り機のところに座り、目に見えない絹で目に見えない服をつくっていました。)
復習にどうぞ!
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まとめ:はかなくも美しいアンデルセンの童話たち

今回、「裸の王様(The Emperor’s New Clothes)」が表紙であり、さらには書名なのにも関わらず、個別に取り上げないという暴挙に出てしまいました。すみません、『人魚姫』と『親指姫』を読んだら、すっかりちひろノスタルジーに襲われたため、「裸の王様」がすっかり意識から抜けました(笑)。
・・・こんなふうに、たまに無造作にえこひいきすることもありますが、今後もお付き合いいただけると幸いでございます!
それでは、今日も素敵な一日を!
fummy