東京のすみっこより愛をこめて。fummyです😊💡
英語多読100万語を目指して、多読を進めています!
今回取り上げるのは、「Compass Classic Readers (Level 1)」版の、ヒュー・ロフティング(Hugh Lofting)作『ドリトル先生アフリカゆき(Doctor Dolittle)』です。
『ドリトル先生』シリーズは幼い頃に読み漁りましたが、内容に関しては完全に記憶が喪失していたので、久しぶりに読めてワクワクしました! 動物たちと自由自在に会話して協力し合いながら、人間だけでは決して成し得ない重大なミッションを完遂する! うーん、ロマン…!
というわけで、今回は『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』について、あらすじ、本作品の見どころなどを、本文を引用して日本語訳をつけながら紹介していきます!
英語を復習しながら、
- 「ドリトル先生はどうして動物の言葉が話せるようになったの?」
- 「先生はどうしてアフリカに行ったの?」
- 「アフリカで何をしたの?」
- 「アフリカから連れ帰った、世にも珍しいあの動物とは・・・!?」
ということを思い出していただければと思います^^
ネタバレをしていますのでご注意ください!
SPONSORED LINK
前提情報:『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』について
今回取り上げる『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』は、以下の本です。
原書ではなく、Graded Readers(GR)版であることにご注意ください!
『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』の基本情報
『ドリトル先生』シリーズは、イギリス出身の作家ヒュー・ロフティング(Hugh Lofting, 1886-1947)による児童文学です。動物の言葉を自由に話すことができるお医者さま「ドリトル先生」の冒険を描いた物語で、日本語訳でも13冊が出版されています。
今回とりあげる「Compass Classic Readers」版の『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』は、シリーズの中でも一番はじめの作品である『ドリトル先生アフリカ行き』の内容です。
もともと人間相手の医者をやっていたドリトル先生が、動物の言葉を話せるようになったきっかけから始まりますよ!^^
英語多読者向けの『ドリトル先生』基本情報(総語数、英語レベル)
本書の基本情報(難易度など)は以下の通りです。
- 書名 : Doctor Dolittle
- シリーズ: Compass Classic Readers(Level 1)
- 収録作品: Doctor Dolittle
- 総語数 : 4000語
- CEFR : A1
- 読みやすさレベル(YL):YL2.6-2.8
難易度のご参考までに、わたしは英語多読20万語〜30万語の間くらいのレベルでこのシリーズ(CCR レベル1)を読んでいますが、特につまづくことなくスムーズに読めています!
SPONSORED LINK
『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』のあらすじ
ジョン・ドリトル先生(Dr. John Dolittle)は、イギリスの小さな街、パドルビー(Puddleby)に住む医者でした。先生は動物が大好きで、たくさんの動物たちと暮らしていました。しかし、人びとはこの動物たちを嫌がって寄り付きませんでした。そのため、ドリトル先生には患者がおらず、生活が苦しく、多額の借金を抱えていました。
ところがあるとき、ドリトル先生は、人間の言葉を話すオウムのポリネシア(Polynesia)に動物たちの言葉を習います。動物たちと自由に会話ができるようになったドリトル先生は、獣医に転向し、次々と動物たちの病気を治していきました。
ポリネシア(※イメージです)
名医としての評判が高まりつつあったある日のこと、サルのチーチー(Chee-Chee)が慌てた様子でドリトル先生の家に駆け込んできました。アフリカでサルの病気が蔓延し、多くのサルが死の危機に瀕しているというのです。
ドリトル先生は、サルたちを助けるため、アフリカに向かうことを決意しました。
SPONSORED LINK
ドリトル先生の見どころ①:動物と自在に会話できる医者
本作に関してほとんど記憶を失っていたわたしでも、ドリトル先生が動物の言葉を習得した始まりのシーンだけは鮮明に覚えていました。大好きなシーンです。とてもワクワクするので、少し長めですが引用します!
人間の患者が全く寄り付かない様子を見かねて、オウムのポリネシアが、ドリトル先生に動物の医者になることを提案します。それをきっかけとして、ドリトル先生は、ポリネシアに動物の言葉を習うことになるのです。
“There are a lot of vets,” Dr. Dolittle said.
“Perhaps there are. But you’d be the best vet of all. I’m not the only animal that can talk. All the animals can talk. Each kind of animal has its own language. I’ll teach you mine if you like.”
“Yes, please,” Dr. Dolittle said. He opened a drawer and took out a notebook and pencil. “Will you teach me the parrot’s ABCs first?” he asked.*日本語訳(拙訳)*
「獣医なんていくらでもいるだろう」と、ドリトル先生は言いました。
「ええ、おそらくは。でも、あなたは最高の獣医になりますよ。口のきける動物は、何も私だけじゃありません。あらゆる動物が話すことができます。どの動物にも、独自の言語があるのです。お望みとあらば、私の言葉をお教えしますよ。」
「ぜひ、頼むよ」と、ドリトル先生は言いました。彼は机の引き出しを開けると、ノートと鉛筆を取り出しました。「まずは、オウムのABCを教えてくれるかね?」と、彼は頼みました。ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.7.
そして、次のシーンがまた印象的です。
犬のジップ(※イメージです)
ドリトル先生がオウム語を習っているうちに、犬のジップ(Jip)が部屋に入ってきます。ポリネシアはすかさず、「ジップがあなたに話しかけていますよ」と、注意をうながしますが、ドリトル先生にはピンときません。「あいつは体を掻いているだけじゃないか(”He’s just scraching himself.”, p.7)」と、先生は言います。
“Dogs talk with their ears, their noses, and their tails,” Polinesia told him. “They don’t always make a noise. Do you see how he is now moving his nose?”
“Yes.”
“He is telling us that it has stopped raining, and he wants ask you a question.”*日本語訳(拙訳)*
「犬は耳や鼻やしっぽを使って話すのです」と、ポリネシアはドリトル先生に教えました。「必ずしも音を立てるわけではありません。彼がいま、鼻を動かしているのがわかりますか?」
「うむ」
「彼は、雨が止んだことを教えてくれているのです。そして、あなたに何か質問があるようですね」ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, pp.7-8.
動物たちの話す言葉が、口から発せられる音だけではない、っていうのが面白いんですよね。こんなかんじで、ドリトル先生は声や音だけでなく、行動パターンから、動物たちの言葉を学んでいくのです!
SPONSORED LINK
ドリトル先生の見どころ②:ドリトル家のゆかいな動物たち
ドリトル先生の家では、たくさんの動物たちが暮らしていましたが、とりわけ先生と仲が良かったのが、この5匹の動物たちです!
動物たちの名前が一向に覚えられないので描いてみました。
(※絵はイメージです。映画等のビジュアルとは異なる可能性が・・・確実に異なると思います。笑)
アヒルのダブダブ(Dab-Dab)、犬のジップ(Jip)、子ブタのガブガブ(Gub-Gub)、オウムのポリネシア(Polynesia)、フクロウのトゥートゥー(Too-Too)です。
病気のサルたちを助けるために、アフリカに行くと決まった時も、たくさんの動物たちが同行したがるのですが、ドリトル先生は、この5匹の動物たちを優先して連れて行くことに決めます。
“I’m sorry,” he said, “but this trip will be very difficult. I cannot take all of you. I can take only Jip, Dab-Dab, Gub-Gub, and Too-Too.”
*日本語訳(拙訳)*
「すまないが」と、先生は言いました。「今回の旅は、とても困難なものになるだろう。お前たちみんなを連れて行くことはできないんだよ。一緒に行けるのは、ジップ、ダブダブ、ガブガブ、トゥートゥーだけだ」ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.14.
正直なところ、第一印象では、なんで危険を伴うアフリカ行きのメンバーがこの動物たちなのか、あまりピンと来なかったんですよね。
トゥートゥーとジップ。
夜目が効きそうな猛禽類のトゥートゥーと、犬のジップは、なんとなく戦力になりそうな感覚はあるんですが、、、
ダブダブとガブガブ。
アヒルと子ブタ・・・?
もしかして食・・・?(自粛)
なんてね。野暮なこと考えちゃいました。(てへぺろ)
ちなみに、何も言及されていなかったので、「ポリネシアはお留守番?」と思いきや、ページをめくったら、彼女も当然のように同行していました(笑)。まあ、ポリネシアは我らがブレーンですからね!(ポリネシアさんがいれば大丈夫!)
オウムのポリネシア
サルのチーチーも、言い出しっぺなのでもちろん一緒に行きます!
(実はチーチーだけ、よそのおうちの子です。もと患者。)
SPONSORED LINK
ドリトル先生の見どころ③:冒険の行く手をはばむアフリカの王様
冒険には困難がつきものです。しばしば行く手を阻む敵も現れます。
案の定、アフリカに着いて早々に、ドリトル先生一行は、アフリカの民族に捕らえられ、かの国の王様の前に連れていかれます。
“Many years ago,” he said, “a man like you came here. He killed all the elephants and took their ivory tusks away. Never again shall a man like him travel in my lands.”
*日本語訳(拙訳)*
「ずいぶん昔のことになるが」と、王様は言いました。「お前のような人間がここにやってきた。そやつは象をみな殺してしまい、象牙を奪い去ったのだ。わが領土で、あやつのような人間を、二度と自由にさせるわけにはいかんのだ。」ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.19.
どうやら先客がこの国を蹂躙し、アフリカの民にすっかりトラウマを植え付けてしまったようです。(なんと迷惑な・・・)
しかし、我らがブレーン、ポリネシアの機転のおかげでなんとか難を逃れ、一行はサルの国に向かいます。このアフリカの民族の他にも、ドリトル先生の前途には数々の障害が立ちふさがるのですが、そのたびに動物たちと協力することによって乗り越えていくのが、この物語の楽しいところです!
SPONSORED LINK
ドリトル先生の見どころ④:アフリカの不思議な動物「オシツオサレツ」
ドリトル先生の医者としての確かな腕前と、ライオンなどの動物たちの献身的な看護のおかげで、サルたちは救われます。
自らの仕事を終えたところで、ドリトル先生が帰国の意向を告げると、サルたちはお礼に何かプレゼントをしたいと申し出ます。先生は「私と一緒に来たいという、珍しい動物がいるとよいのだが」と、希望を告げます。
The monkeys knew of such an animal. It was a pushmi-pullyu. It was like a cow, but it had a head at each end.
“How does it make up its mind?” the duck wondered.*日本語訳(拙訳)*
サルたちは、そのような動物に心当たりがありました。オシツオサレツです。それは牛に似ていましたが、体の両端に頭がついていました。
「何かを決めるときは、どうするのかなあ?」と、アヒルが不思議がりました。ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.28.
オシツオサレツを画像検索したら、アルパカみたいなモコモコした子が出てきた(笑)のですが、「牛に似ている」ので、原作はもう少しこんな感じです。
オシツオサレツ(Pushmi-Pullyu)
ダブダブ(アヒル)は、オシツオサレツが二つの頭でどうやって物事を決めているのか疑問に思っているようですが、わたしとしては、食べたものがどこに行くのかが、非常に気になるところです(笑)。
ところで、オシツオサレツが一緒にくることになったとき、サルのチーチーがえらく非人道的なことを言うので、びっくりしてしまいました(笑)。
You owe a lot of money in Puddleby. Take the push-pullyu home, and people will pay to see it. You’ll soon make a lot of money.
*日本語訳(拙訳)*
パドルビーで、あなたはたくさんの借金をこしらえたでしょう。オシツオサレツを連れ帰れば、みんなが見に来てお金を払ってくれます。すぐにお金をたくさん稼げますよ。ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.28.
アフリカで自由を謳歌していた動物を、見世物にする目的で連れ帰るなんて、そんな虐待みたいなことをしてもいいの?と、つい思ってしまいましたが、オシツオサレツ本人はぜんぜん気にしてない様子(それを承知でドリトル先生について行きたい様子)なので、良かったです(笑)。
SPONSORED LINK
ドリトル先生の見どころ⑤:仲間との別れ
アフリカに来て、オシツオサレツという新しい出会いがありましたが、同時に悲しい別れもありました。ドリトル先生の仲間の動物たちのいく匹かはアフリカ出身で、この機会に故郷にとどまることに決めたのです。
Gub-Gub, Polynesia and Too-Too stayed behind. They had returned home to their land. They stood on the shore crying and waving until the boat was out of sight.
*日本語訳(拙訳)*
ガブガブとポリネシアとトゥートゥーは、あとに残りました。彼らは生まれ故郷に帰ってきたのです。彼らは岸に立ち、船が見えなくなるまで、泣いて手を振っていました。ーHugh Lofting, Doctor Dolittle, Compass Publishing, 2009, p.30.
ここでお別れのガブガブ、ポリネシア、トゥートゥー。
まあ、ここは悲しみよりも何よりも、
ガブガブもアフリカ出身だったのー!?
という驚きが先行してしまったのですが(笑)。
「あ〜、それで優先的にアフリカについてきたのね(非戦闘員っぽいのに!)」と納得すると同時に、とても心配になってしまいました。
だって、待っていればごはんがいくらでも出てくる環境で、
ぬくぬくと育ったこの子ブタちゃんが、
アフリカの過酷な大自然の中で、
生き残れるイメージが全くわかないんですけど?
悪いことは言わないからさ、パドルビーのおうちで、お腹いっぱいごはんを食べてた方が平和だよ! 早まらない方がいいって! というか、ポリネシア、そこで一緒に船を見送ってないで! ガブガブを船に乗せてあげて!! ガブガブはイギリスのおうちに帰してあげて!! どう考えても危ないから!! アフリカは魔窟だからー!!(阿鼻叫喚)
もう、秒で殺られる予感しかしません。(ハラハラ)
SPONSORED LINK
『ドリトル先生(Doctor Dolittle)』で覚えた英語表現!
今回の読書は英語多読の一環なので、覚えた英単語をご紹介しておきますね。復習にどうぞ!
- vet
Why don’t you stop being a doctor for people and become a doctor for animals instead? You know a lot about animals — more than most vets, I’m sure. (p.6)(人間向けの医者なんてお辞めになって、その代わりに動物向けの医者になられたらいかがです? はっきり言って、あなたは — そこらの獣医よりも、動物についての知識を豊富にお持ちですよ。) - ivory tusk
He killed all the elephants and took their ivory tusks away. (p.19) (そやつは象をみな殺してしまい、象牙を奪い去ったのだ。) - hyponotize
“I’m going to hypnotize the prince,” Polynesia said. “I’ll put him to sleep and then tell him to do things when he wakes up.”(p.30) (「王子に催眠術をかけましょう」とポリネシアは言いました。「王子を眠らせて、彼が起きた時にしていただくことを指示するのです」)
ivoryもtuskも象牙なんですが、ivoryが素材(材料?)、tuskが象の口から生えている状態の象牙のようです。英語多読を続けるうちに、英語的な感覚がより磨かれていくと思うので、こちらの解釈もその都度更新します!
SPONSORED LINK
まとめ:動物と心が通じ合う!夢とロマンがいっぱいの大冒険!
久しぶりに読んだ『ドリトル先生』は、非常にたのしゅうございました!(笑)
やっぱり動物たちと自由自在に会話できるってロマンですよね・・・。
というか、そろそろ技術革新によって、動物たちと会話できる装置が発明されてもおかしくない時代だと思っています。動物たちの行動パターンとか身体的反応とかはデータ化されて、ある程度は分析可能だと思うんですけど・・・まだかな?(目をキラキラさせながら待ってますから!)
それでは、今日も素敵な一日を!
fummy